英国紳士 – 論理的思考

投稿日:2020年03月09日(月)

表顕力




大学卒業後、「学者」として仕事をしていた「父親」の影響が強いと考えております。

「門前の小僧習わぬ経を読む」

父親の「論理的な思考方法」は、僕にとって、「習わぬ経」だったとの確信があります。

 

父は、北海道の地方都市で生まれ育ち、高校卒業後、「医師」になるために札幌に出てきました。

学生として「学園紛争」が盛んな時代を経験したそうです。

卒業後、色々なご縁により、「臨床」ではなく「基礎」の道に進みました。

「学者」として20年近くを過ごし、その後「臨床」に移りました。

 

ちなみに、僕が生まれたのは、父が、カリフォルニア大学ロサンゼルス校に「客員教授」として留学していた時です。

 

父の考え方は、「理路整然」という単語でまとめることができます。

反論の余地がない、同意せざるを得ない、逃げ場がない、、そう思わせるような論法です。

本人曰く、

「学者として、モノの考え方を身に付けることができたからだ。」

とのこと。

 

僕はこの論理的思考を、中学校時代から触れていました。

当時は、嫌で嫌で仕方なく、反論できないことに苛立ちながら、やり場のない気持ちを抱いていたことを思い出します。

 

問題に直面した時、その問題を「解決」する方法と「対処」する方法は、全く違うものであると考えております。

いわゆる「本質」が何かを理解せずに問題を捉えていることによるのではないかと思うのですが、得てして、世の中、問題を「対処」することによって「解決」したと結論付ける事象が多いように感じております。

その事象とは、巷に転がっている話がほとんどではないでしょうか。

そのほとんどは、「対処」であって、「解決」ではないため、その後、同じような問題が起こり得るし、実際に起こって右往左往することも多々かと思います。

 

こんなことを考えることができるようになったのも、「習わぬ経」の影響だと思っております。

札幌に帰って来てからは特に、このようなことを考える自分が嫌でした。

世の中に合わせることができれば済む話を、合わせることができずに苦しみました。

 

お陰様で、合わせる必要がないことに気付いてからは、このような考え方ができることを有り難く感じております。

 

父を見ていて、自分自身を俯瞰して見ていて感じることがあります。

「理路整然」は、場合によっては、恐ろしい「凶器」になり得るものです。

 

実際、僕の過去を振り返ると、様々な人を傷付けて来たように思います。

明らかに良い意味で解釈することはできない話です。

 

色々な経験を通して、「理路整然」とした「論理的思考」を「凶器」ではなく、「武器」として駆使する方法があると確信することができました。

 

ギターを始めたり、アートに触れたり、「感性」を磨く作業を意識的に行っております。

「共感性」、「創造性」など、いわゆる「右脳」を機能させることができれば、「左脳」とのバランスにより、「理路整然」が、説得力のあるものとして活用できるのではないかと考えております。

 

今、心から、「論理的思考」を植え付けてくれた父親に感謝申し上げます。

今後は、その「論理的思考」の精度を上げながら、「感性」を磨き、「右脳」と「左脳」のバランスに秀でた人間を目指して参ります。

そのバランスは、「英国紳士」として必要な要素であると確信しているからです。

 



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