逆風は嫌いではなく・・・

投稿日:2020年11月08日(日)

冒険力




「逆風は嫌いではなく、ありがたい。どんなことも、逆風がなければ次のステップにいけないから。」

元大リーガー イチロー氏の格言です。

 

人は、常に「順風満帆」でありたいと思うものかもしれません。

逆境に好んで立ち向かえるほどの強さを備えた人は、多くはないように思います。

 

楽を選びたい訳ではありませんが、できれば、面倒なこと、辛いことを避けて行ければという気持ちは、誰もが抱くものであると確信しております。

極端な例が、「死」ではないでようか。

誰もが死を避けられないことは、頭で理解していながらも、誰も死にたくはない。

 

「人は、死ぬことなく天国に行きたがる。」

そんな話を聞いたことがあります。

苦しむことなく、極楽浄土を求めたいという気持ちなのだと思いますが。。。





スグルは、昔から器用だった。

何をしても、親兄弟、友人など周りの人から褒められるほどに、色々なことを器用にこなすことができた。

スグル自身、特に努力をしたという自覚もなく、「周りが不器用過ぎるだけなのでは?」という感覚でしかなかった。

 

褒められること自体は、どちらかといえば嬉しい。

が、褒められることに飽きのようなものを感じ始めてからは、気持ちが少し変わってしまった。

「できない奴に褒められてもね。。。逆に馬鹿にされているような気がしてしまうよ。。。」

驕りのようなものではなかったが、そんな風に感じるようになってしまった。

 

「何でも器用にこなすことができる人に褒められたいなぁ。。。」

そんな風に思い始めてから、スグルは態度を改めた。

 

「自分のいる場所が悪いのだろう。もっと違う景色を見に行かなければ、このままで終わってしまうような気がする。」

「違う景色が見れる場所は、何でも器用にこなすことができる人たちで溢れている筈。」

一念発起というと大げさではあるが、スグルは、お付き合いする人を変えた。

 

「今まで、当たり前にこなしていたこと、周りに褒められていたことを一度疑うことにしよう。」

まだまだ、粗さがあるような気がしていた故、精度を上げる余地を探し始めた。

 

努力の甲斐があり、スグルは、目指していた場所に辿り着けたように感じていた。

 

が、何でもできる人たちが溢れ始めた矢先、自分の不器用さを認識せざるを得なくなった。

「皆、精度が高く、何でも器用にこなしている。それに比べて自分は。。。」

初めての挫折を味わった。

 

つるべ落とし。

普通の人であれば、そのまま元の場所、もしくは、それ以下の場所に落ちて行くのだろう。

が、スグルは違った。

 

スグルにとって、生まれて初めて感じた刺激だった。

「皆のように何でも器用にこなすためには、まだまだやることがある。」

この刺激、悪くない気がする。

 

「まだまだやるべきことがあり、やるべきことを続けて行くことで、また別の場所に辿り着けるのだろう。」

「刺激」という形で受けた「逆風」は、スグルを次のステップへ導いてくれたのかもしれない。

 



コメントを送信する


※すべて必須事項です

記事タイトル:
氏名*:
メールアドレス*:(半角英数)
コメント*:

記事検索
書籍紹介
最近の投稿記事
  • メンタル強化

    投稿日:2020年06月10日(水)

    メンタルの強化を考えるとき、筋トレのようなイメージで行うものなのでしょうか。 負荷をかけて、負荷をかけて、たんぱく質を摂取して。。。のような。 そうであれば、負荷をかける作業とは、ネガティブな状況に身を投じることなのでし […]


    本文を読む

  • 歴史と他人

    投稿日:2020年01月21日(火)

    「主観的な成功は自己満足。客観的な成功は歴史と他人が決める。」   1月18日(土)の「潜在意識」という記事に対していただいたコメントです。 コメントをいただきました旨、この場をお借りして、御礼申し上げます。 […]


    本文を読む

  • 定点観測

    投稿日:2020年06月22日(月)

    ハンバーガーチェーン最大手の日本法人創業者が、日本第一号店を何処に出店するかを考えていました。 氏は、歩行者の流れを自身の事務所の窓から見ながら、「ここだ!」と決めました。 銀座4丁目が、その場所でした。   […]


    本文を読む