投稿日:2020年11月13日(金)
戦闘力
「人間の真の誠実は、たとえば礼儀正しさと同じように、小さなことに対するその人の態度にあらわれる。」
スイスの法学者 カール・ヒルティの格言です。
「積小為大」
我々は、小さなことを積み重ねていくことの大切さを教えられております。
沢山の偉人と呼ばれる方々も、小さなことを大切にされているようです。
本当に些細なこと、気にする必要のないことが、大きな差を生み出すように感じております。
ほとんどの人は、それに気が付いていないようにも思えるのですが、実際はどうなのでしょう。
以前、「Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である」という書籍を拝読しました。
世界的スーパースターの礼儀正しさについて触れられてましたが、スーパースターになるような人は、やはり、礼儀正しいのだと思わされました。
「礼儀正しさ」に限らず、もっと小さなことでも、大きな差を生み出し得る要素は、沢山ありそうな気がしますが。。。
タカシは、あるセミナーに参加した。
仕事上のスキルを磨くためのものではなく、自分自身の人格を磨くためのセミナーに参加した。
セミナーの内容は、「人間力を養う」ことに焦点を充てていた。
「人間力」といっても、国家資格が存在する訳ではなく、どうすれば「人間力」が身に付いたかを判断できるのだろうか。
その答えは、誰にもわからないが、わからないなりに、皆、「人間力を養う」べく、日々精進しているのだろう。
タカシも同じく、自分なりに「人間力」を定義し、その定義した方向へ進むことに努める毎日だった。
そのセミナーを主催したのは、出版社だった。
裏方のスタッフは、出版社の社員の方々。
皆、瞳を輝かせながら、来客対応に奔走していた。
講演された方々の貴重なお話、主催者の完璧な準備、諸々により、セミナーは、盛会となった。
そんなセミナーに参加できたことを、タカシは、心から喜んでいた。
セミナー終了後、講演の余韻に浸りながら、会場を出ようとしたとき、
「ありがとうございました。」
主催のスタッフの方々が、来客者一人ひとりに、深々とお辞儀をしながら、お礼を言っていた。
タカシは、それに気付いた。
「ありがとうございました。」
と、頭を下げてお礼を言った。
その瞬間、タカシは妙なことに気付いてしまった。
他の来客者のほとんどが、頭も下げず、お礼も言わず、会場を後にしようとしていた。
タカシにとっては、違和感でしかなかった。
その違和感が、何処から来るのかを考えた。
セミナー会場の至る所にポスターが張られていた。
「人間力を養う」
その単語だけが、目に入ってくる。
「そうだ、今日は、人間力を養うためのセミナーだ!!」
何かエンターテインメントのイベントに参加しているのであれば、違和感はなかった筈。
タカシは考えた。
「人間力を養うために参加した来客者は、どれくらいの割合なのだろう。。。」
「挨拶」という小さなことに対する態度により、人間の真の誠実さを問われてしまうのではないだろうか。。。
投稿日:2020年12月06日(日)
【 自己分析のための過去回帰。「進むべく未来」の先にある「約束の地」へ・・・ 】 「わからぬ将来のことを心配しているより、まず目前のことをする。」 日本の武将 伊達政宗公の格言です。 「来年の […]